アンズの古郷

望郷のアンズ 収穫期を迎える

今年は友人に頼まれたこともあって2日ほど前に少し多めに長野市でアンズを仕入れた。アンズは千曲市(旧更埴市)のアンズの里が有名だが、栽培量は長野市松代町一帯が多いと聞く。 アンズは漢字で「杏子」とか「杏」の一字が当てられることが多い。もともと奈良時代に中国から梅と一緒に入った歴史がある。遣唐使の時だから唐音のアン(杏)の発音が用いられたようだ。杏を「きょう」と発音するのは同じ中国でも呉音に由来するようだ。「杏林」は貧しい病人からお金を頂かずにアンズの苗をあげて植えさせた中国、呉の国の仁医の有名な話で、数年後に地域は杏の林ができたから、杏林とは医者の尊称になったという美談も伝わっている。
この地域の名刹善光寺には奈良時代に中国から日本に最初に伝わった仏像が辿り着き安置されているから、いまは故郷の花に囲まれながらこの地を潤しているようだ。遠く古郷から渡った杏子も心地よく育っているに違いない。
(下の写真はFB「信越自然郷の旅」のページから)