気候を分ける四阿山 !

ここは内地の北海道だ!?


暖かい正月だったからこの一週間は強烈に寒い。
26日の朝、私の住んでいるところ(標高780m)も二桁代の寒気に浸かった。
田代地区のやまぎわ1,230mにある気象庁の記録は朝6時がマイナス13.6℃とこの冬一番の記録。瞬間的には6:40分が最高で−14.2℃に達している。ところが・・・四阿山の向こう側の菅平高原は同刻6時に−24.7℃を記録していた。
同刻の軽井沢が−15.6℃なので菅平が際立っているが、こういう日はいつも菅平は、異常に低いことが多い。


なぜ菅平は寒いのか?
それは四阿山が聳えているからだという。
大陸からやって来る寒気は四阿山にぶつかって、すり鉢型の菅平高原に溜まって冷気湖を作り、さらに放射冷却作用によって異常に寒くなるというのが定説だ。もし四阿山が無ければ嬬恋も冷気湖の中に晒されたのかもしれない。
ところで菅平の年平均気温は6.5℃(筑波大学菅平高原実験センター調べ)でこれは北海道オホーツク海岸地域に似ていてほぼ稚内市並みとされる。嬬恋はと言うと札幌とほぼ同じ気候(1,230m観測地、年平均気温7.2℃)だから、昔から言われてきた「内地の北海道」の中に四阿山は在り、私たちの気候、風土をつくってきた山になる。この山の及ぼす影響は降水量にも差が生じている。菅平が年平均1,226mmと少ない傾向に対し嬬恋では1,506mmと多くなっている。山の向こうとこちら側の気候を分ける四阿山。まさに分水嶺の山でもある。

※気象データは筑波大菅平高原実験センターのHPよりお借りしました。
 写真下は湯の丸山から見た四阿山根子岳、左裾野側が菅平高原です。