あまりに快適な嬬恋のグリーンシーズン!

実証、嬬恋村は〈快適空間〉だということ。

昼と夜の温度差が激しいからキャベツがおいしいとか、嬬恋に山荘を建てたら本がフケないから蔵書保管に最適だとか云う話を耳にすることが多い。たしかに住んで居ると実感することが多いが、それは他と比較してどれほどの事なのか、快適な気候のシーズンはいつまでなのかと言った調査はこれまで詳しいデータに乏しかった。先般、嬬恋村はこの気象を3年間詳しく調査してデータを公表し一冊にまとめて配布しているのを知った。そこで入手してみたら、とても貴重な調査結果が載っていた。 これは、単に涼しいからいらっしゃい、と言うだけではなく、より一層快適に過ごすために活用できるし、健康管理にも使えそうな数々の資料となっている。調査に伴い驚くべき結果にも触れて考察が載っているので、いくつか引用してみたい。

■ 嬬恋村の気候はどこと似ているのか。
まずは、気象庁の観測点がある田代(標高1230mの高い地点)の平均気温、日最高気温、日最低気温などからみると、「田代は札幌より寒く、旭川より暖かい結果となっている。(少し標高の低い村の標準的な高さ)浅間住民センター、中原開拓地区が札幌とほぼ同じ観測値」なので「嬬恋村は札幌とほぼ同じ気候」であり、旭川と比べて「夏は嬬恋村の方が涼しく、冬は旭川の方が寒いという結果のなっている」のだと結んでいて、まさに昔から言われてきた〈嬬恋は内地の北海道〉そのものでした。

■ 快適性を左右する嬬恋の湿度の秘密?
嬬恋村の年平均湿度は66から76%で日本各地と大差は無い数値となっていましたが、梅雨から夏にかけて著しい特徴がある結果がまとまっている。「6月から8月の昼間の湿度は60%台に低下するものの、夜間から朝方にかけては、ほぼ毎日100%近い」とされ、これは「昼間はカラッとしていて過ごしやすく、夜間から朝方までは放射冷却により地面付近の気温が低下し、湿度が高くなることで高原キャベツに朝露が付く」のだという。高原育ちのトウモロコシやジャガイモに糖度がのる所以となる特色と言うわけだ。

■ 地球温暖化、驚くべき嬬恋の気候のしくみ!
調査は過去30年の気象データも調べて東京と比較している。温暖化は嬬恋村でも顕著で「30年間で日最高気温の平均値が約1℃上昇し、平均気温は約0.5℃上昇」している。ところが驚くことに「日最低気温の平均値にはほとんど変化がない」ことが解った。どいうことか。東京と比較しているので引用すると「東京の場合は日最高気温、平均気温、日最低気温すべてが1℃以上上昇している。」つまり都会の温暖化は最低気温も上がって暖かくなっている形なのに、嬬恋村は最低気温に変化は無いから「東京とは気温上昇のしくみが違う」というのだ。昼間暖かくて夜は昔も今も変わらず涼しいからこの温度変化に適応しようとして自律神経が鍛えられる!かもしれない。

今回のデータを載せた「嬬恋村気象観測結果報告書」は役場または郷土資料館で入手できる。