立春、待ち遠しい春です。

昨日は節分でしたから、浅間山の鬼のお話・・・

今日は立春ですが、みなさん、昨日のうちに鬼は追い払いましたか?
私の家も以前は豆(大豆)を煎った物を投げて鬼払いをしました。そして残りの豆を神棚にあげて置き、立夏の初雷に食べるしきたりでした。今は豆も落花生へと変わりましたが、鬼に係わる行事が続いています。
さて、このあたりでは昔から浅間山には鬼が棲んでいて、噴火すると鬼が押し出した、と言っていました。そう、浅間山には邪鬼が棲み蓼科山には悪天狗がいると信じてられていたのです。
その昔、長暦3年(1039年)のこと・・・鎌原の里に住む怪力無双の清和天皇の末裔源幸重(ゆきしげ)が浅間山に登った時、釜山付近の洞窟から鬼が現れて「日本中をおとしめようとしたら、この山の主に深く封じ込められてしまった。助けてくれたなら善鬼になって浅間山をお守りする」と言ったという。幸重によって岩窟から出された鬼は山の守護神となったので、以来里人から「鬼神」として崇められて、実際に今の峰の茶屋付近に鬼神堂を建てて崇められたのです、やれやれ。

さてさて、鬼が伏したほどの浅間山の主とはいったい誰だったのでしょうか。
それは、虚空蔵菩薩だと云われてます。大地を司る地蔵さんに対して宇宙の森羅万象を司る菩薩が虚空蔵菩薩で広大無辺の力を持ち、浅間山にはこの菩薩が本地仏として宿っていて鬼は封じ込められた、というお話しです・・・。
これは「上州浅間嶽虚空蔵菩薩略縁起」(享保8年)に残るお話しです。

写真下:寒くても蕾を付けて春を待つハクサンシャクナゲです。