佛の木、アオダモ

アオダモの殺菌力





自宅の周囲のあちこちにある樹アオダモ(青梻)はこのあたりでは農具の柄に利用することが多かったが、その皮むきは今が一番適期にあたる。先日、知人から紫外線を発する「ブラックライト」をお借りしたので樹名に冠された〈青〉を確認することにした。
驚くほど簡単に樹皮を剥がすと、すべすべの木肌が現れたが、なんとそれを洗っただけでもう水は一瞬にブルーに染まった。そこで今度は小枝をコップに入れて部屋でブラックライトを当ててみると劇的に青くきれいに発光し、感動的な蛍光色になった。これはスゴイ。発光するブルーだったのだ。
これが昔から消毒、殺菌に用いられたアオダモの青の特色のようだが、調べてみると皮を乾燥させた物を生薬の「秦皮」と言い、煎液を洗眼液にもしたとある。ほかに下痢、眼の充血や解熱の漢方薬と記してあった。なるほど古くから人とかかわりの深い木だったと言う訳だが、今は野球のバットとして利用されるくらいだが、どういう訳か最近は庭木として一番人気がある樹木なのだと言う。
そういえば、昔からアオダモは「霊の宿る木」とされてきたせいか、仏像や仏壇に使われている。それにアオダモに当てられる漢字の〈青い佛の木〉というのも、古来からの人々の想いが伝わり頷く。


※上の写真(4枚目)の左側のコップはただの水で、比較してみました。
  下の写真はアオダモの生木の状態と皮を剥いたアオダモの状態を並べてみました。