非常時に役立つ先人の知恵

自然と暮らす…身近な木を利用する知恵
ダンコウバイやエゴノキと似た香木のアブラチャン(油瀝青)は、今年たくさんの実を着けた。その実がボールのように丸いから子供の時、遊び道具にして楽しんだ。雪の多い処ではこの木で「輪かんじき」を作るところがあったのは、この木に油分が多いからだ。
利用できるのはそれだけではない。グリーンシーズンの山の中で雨天時、燃やすものが無い時に生でも燃えるのがこの木だと古老から教わった、山中で暖を採る必要があるときに生きる知恵として。
アブラチャンのチャン=瀝青とはシルクロードの時よりコールタールの総称の文字でギリシャのキオス島のことだと言われ、この木の実からテレピン油を絞ることが伝わった。そして日本では昔、灯明の油を採ったと記述されている。生活にとても身近な木であったが今は誰も感心する人はいない。
写真は、二週間前の油瀝青の木とその果実の実。