遷宮の新築儀式は不思議がいっぱい!

式年遷宮になぜニワトリの声を発するのか? 不思議な儀式で眠れない!?
先日5日、伊勢神宮外宮の式年遷宮祭がありましたが、この遷宮祭を始めるときに先導の神主さんがニワトリの鳴き声を発していたのをTVなどで見た人も多いと思います。なぜニワトリなのか不思議ですよね。20年前の時にもすごく不思議だったのですが、仕事に追われて忘れていました。
その間に、その謎の答えのような記事をよく読まないで残しておいたので探し出しました。するとそこには日本人の由来に関わるような内容が記載されていて読んでびっくりです。

それによると、神宮の正殿の遷宮祭の建築儀式は主に次のように記述しています。
1、最初に建てる柱は、正殿中心の「心の御柱
2.心の御柱新月の午後10時〜午前0時に立てる。
3.伊勢神宮の最高責任者である斎宮は女性であるため「心の御柱建て儀式」に参加できない。
4.新正殿が完成し「遷宮祭」を行う時、先導の神主が、新宮の前で雄鶏の鳴き声を3回発する。
5.上棟祝いは、棟上げから餅を投げる。

そして記事は、このやり方が、中国の雲南省の怒族の儀式にそっくりだと言うので興味湧きますよね。しかも残っている家は高床式住居で切妻作り、そのうえ中心に最も太い柱を立てていて、驚くことにその棟上げ、建築儀礼は次のように行われていると記しています。
1、最初に立てるのは家の中心の「中柱」
2、中柱は新月の午後10時〜午前0時に立てる。
3.女性と子供は中柱を立てる儀式に参加出来ないし、見てもいけない。
4、棟木を上げると上棟祝いを行い、雄鶏を棟木上に乗せ、東から西に歩かせる。
5、その後、雄鶏を殺して血を絞り、東北方向から時計回りに家の隅に撒く。
6.棟木の中央四面に雄鶏の血を約三尺ほど塗りつける。
7、最後に棟上から餅を投げる。

この雲南調査での内容は、群馬県文化財研究会会長の桑原稔氏が08年の5月27日付で上毛新聞に掲載した記事ですが、桑原氏はその結びに「怒族と神宮正殿の建築と建築儀礼は、 非常に類似性が強い」そして「日本で棟持ち柱がある切り妻造りの高床式建築は、正殿を原点とする〈神明造り〉に限られ日本全国に分布している、その源流をたどると中国の雲南にまで繋がる」のだと記していて、鶏が登場する原点を感じさせる内容でした。 嬬恋村では今も新築の建前に餅を投げるのが習わしです。
1300年以上続く式年遷宮の儀式は、日本の形成にかかわった人たちの姿をチラッと見るようで、大変興味深く読みました。  写真はウィキペディアより転載しました。相撲の土俵の上にある屋根も同じ造りです。