キャベツ、脇役の盟主!

控えめ・淡泊、光る脇役…いいねッ!
― キャベツの性格です 
嬬恋村はいま、キャベツの出荷最盛期。今朝の畑の温度はたった4℃ですから、キャベツも一段と甘くなる季節です。年間、たくさん消費されるけれどキャベツは食卓ではどんな扱われ方なのか、いつも、ちょっと気になっています。
そこで、キャベツ好きだと言われる直木賞作家の森 絵都さん(1968年生)の新聞インタビュー記事から拾い上げてみました。

・・・絵都さんがキャベツを意識しだしたのは、30過ぎてから、肉や魚介類などの食べ物の味が濃すぎると感じて、キャベツを食べる機会が増え、「いつの間にか、食べものの味を薄める食材として(キャベツが)欠かせなくなった」と答えています。 そしてホウレン草や小松菜、レタスなど葉物も好きだけれどキャベツは別格になったのだと言います。その訳にも答えて「白菜のような葉と芯の違いが少なく、味も均等。しかも渋みやえぐみがなく、食べものとして存在感を主張しないところがいい」と。 ここでインタビューした記者は絵都さんの脇役感についてさらに伺うと、「主人公より、その友だちや兄弟などの脇役の方を好きになることが多い」と言い、「食べものも人間も、個性が強くない淡泊なタイプが好みのようです」と引き出しています。記者はさらに会話して、日常の何気ない出来事を丹念に描いた、キャベツ好きならではの絵都さんの小説に期待を寄せて結んでいます。
森 絵都さんの受賞作「風に舞い上がるビニールシート」。NHKでもドラマ化されて放映しました。
如何ですか、目立ちすぎないキャベツの性格と目立つのを嫌う嬬恋の人々!?(笑)
(記事:09年5/25日付読売新聞「くらし、家庭欄」掲載、写真は今日の畑のキャベツです)