驚くべきキャベツの三角関係!?

叫んで育つ!キャベツの高い特性!!

別に、愛してるよーって叫んでいると言うことではなく、キャベツが生育する時に害虫のアオムシやコナガ虫に葉を食べられると、虫の天敵を呼び寄せるために叫んでいると言う話だ。しかもそれは大きな声で。
キャベツの村だけれど、キャベツのことはすべて判っていると言うことではない。この10年余りの化学の進歩、特に微量物質の検出技術の進歩と遺伝情報の解読技術によって、キャベツの生きる知恵が判ってきたことに驚くとともに自然の営みに感心するばかりだ。
90年代頃から「植物が昆虫などの食害を受けた場合、その昆虫の天敵を呼び寄せる匂いの成分を誘導的に生産、放出する」と言う現象が報告され、最近は京都大学生態学研究センターの研究等よって、キャベツの害虫であるモンシロチョウの幼虫・アオムシやコナガ虫が葉を食べると、キャベツはアオムシやコナガの天敵を呼び寄せるために、食べられた量に関係なく大量の揮発性成分を放出し、虫の天敵であるコマユバチを呼び寄せるのだと言う。しかも「食べた虫によって放出する成分のブレンドを変えて天敵を呼ぶ高い特色がある」(同センター)と言うからすごい。自然界のすごい三角関係に驚きだ。キャベツはボディーガードを呼ぶために大声で叫んでいるのだ。 
ちなみに、アオムシコマユバチはアオムシ、コナガコマユバチはコナガの体内に卵を産み付け、虫の体を餌にして成長すると体を割って出てくる。あのエイリアンと全く同じやり方だ。その映像はユーチューブでも見られるから勇気ある人は見て欲しい。
生物間の相互作用のために放出する物質はトウモロコシでも確認されていて、自然界は興味深い。(下の写真イラストは朝日新聞科学面に掲載されたものです)