雪山讃歌の宿が新しく

湯の丸山の麓で湯守、番所守する一軒家の更新

文化財の調査、研究などで良くお世話になっている旧鹿沢温泉・紅葉館は、山の中の一軒家だ。といっても周囲が林に囲まれたという感じではなく明るい。明治2年に創業し、源泉を三本所有しているが、館の横には丁石「百番観音・千手観音」が建っている。観音様の丁石は湯の丸峠の下、東御市の新張からここまでの道を案内していて昔、ここは「湯道」と呼ばれていた。隆盛を極めた温泉地も大正7年2月の大火災に見舞われた後、大半の旅館は新鹿沢温泉地に移ってしまった。以来、紅葉館だけがここに残った。あらゆる人を救済すると言う百番観音に見守られ、秘蕩の湯を維持してきた管主 小林康章さん4代目は、いま、次の世代のために館を新しくしている、遅い春とともにまもなく開館するようだ。  (写真は5月3日の様子)