モータースポーツ発祥の地

   浅間のふもとを走るR146号のメロディーラインの流れる丘、 この丘で繰り広げられたさまざまなドラマを少し、以前に記したが、この原野の一角で日本で最初のモータースポーツ繰り広げられた時があった。北軽井沢の公道を使って行われた「浅間火山ロードレース」が1955年に開かれ、200社は在ったというオートバイのメーカーは競って参加し業界が熱くなった始まりだった。そしてついに浅間牧場と嬬恋村の土地にまたがる一週9.3?の本格的専用のコースまで造り、1957年の10月19,20日にわたり「第2日浅間火山ロードレース」が開催された。観衆は1万5千人に上り、高原は熱くなった。そしてホンダとヤマハの戦いもここから始まっている。遅れていた日本のバイクが世界の頂点に立つ開発もここから始まったともいえる。日本のモータースポーツ発祥の地は、その後昭和53年に借地期間が終了し、牧場の更新が得られないまま閉鎖している。私は小さいときに夏、このすぐ近くの山でテント生活をしてよく練習を見に歩いて行った記憶がある。S50年ごろには三菱自動車サファリラリー用のランサーのテストで使っていた。日本のモータースポーツの発展にこれほど貢献したコースも今は、一部を残し、案内の無いままススキに揺らいでいる。
(写真は当時の浅間テストコースのもの:HP「北野昌夫の世界」より)