地域の菩提寺に学ぶ

散歩コースの常林寺、「涅槃会」開催。(3/15)

早朝の散歩コースにある龍燈山・常林寺は、山を背に東を向いて建っている。今は広いこの地域一帯の菩提寺になっている。午前中にカメラを持って伺うと、住職と副住職は福井の永平寺へ出かけて不在。そこで住職の奥さんにお会いした。顔馴染みの奥さんは、今この時だけ涅槃図を公開しているから見ていけば、と言うので本堂へ。 曹洞宗では釈迦が涅槃に入った(入滅した)2月15日を中心に「涅槃会」(ねはんえ)というお釈迦さまを偲ぶ法要、供養が行われる。常林寺では寒い2月にではなく旧暦のこの時にやっているからおすすめだ。だれでも参拝できるのに地元の人は少ないと言っていた。釈迦の五大聖地を訪ねているという奥さんの解説は面白く、仏教という成り立ちを知るうえで身近な学習場所になっているが、寺は地域の歴史を学ぶ上で貴重な場所。

 寺の開基はこの地方の豪族鎌原氏で富岡市にある最興寺を本寺として開山。 5世の住職は、武田一族滅亡へ繋がった戦い、長篠の合戦長篠城を死守した奥平氏の家臣が出家し住職に。信濃追分の泉洞寺はその5世による開山だから常林寺の末寺になるという。※この話は後日また取り挙げてみたい。現在の住職はちょうど30世になっている。
涅槃図は高さ2.5m×横1.8mほどの大きさで江戸後期の作、この絵図には珍しく猫も描かれている。保存良く色彩も鮮やかだ。最古の絵図は高野山金剛峰寺にあるとされる。