浅間山大噴火と利根川下流域の災害

天明浅間山大噴火』の講演と展示会 (9/8)
会場が今回は伊勢崎の大型ショッピングモール「スマーク伊勢崎」。噴火した浅間山のある嬬恋にいて、利根川下流の地区へ行ったのは訳があった。此処できょうは天明の噴火で利根川流域の死者約1,500人に及ぶ災害が当時、どんな様子で、どう記録されたのかを最新の発掘や文献を踏まえて簡潔な展示、解説、講演を1時間ほど見たり聞いたり。主催が伊勢崎市教育委員会。解説は県の埋蔵文化事業団の関俊明さん。そこには驚くとこがあった。
大洪水の当日、渋川市から下流域では、およそ2時間を超えて利根川の流れが止まり、川底に魚などが残っていたことから多くの人が川に入りそれを収穫したと言う。そして直後に津波のような怒涛の大洪水にあって被災したため、犠牲者が増えたのではないか、と文献を調べてわかってきたのだと。
(左の写真は町村別の被災状況一覧表です)
そして、流された人が下流から生還して戻って来た数が20人近くいたのだと言うから驚いたが、洪水には溶岩の熱い石が混ざり水煙も出ていたのだと記録に残っていたのだった。
天明の噴火と埋没した鎌原村の悲劇と復興を伝え、残していくことだけにとらわれがちな被災地嬬恋だけれども、その下流もまた一体であったと認識を新たにした研修。災害発生の地としてこうした学術的な取り組みもまた必要なのだと思う。