身近に残った癒しの森

春の吾妻渓谷を歩く (4/30)

いつもは通過するだけで散策することの少ない吾妻渓谷をじっくり歩く機会があって参加した。案内は地元の大ベテランの講師だったから、とてもよい勉強になった。なによりも若々しい新緑の薫風の中を歩くのが気持ち良い。前半は真田道でもあった古道を歩いて急峻の道陸神峠へ。落ち葉の中に野生のジュウニヒトエ(十二単)の花が静かに迎えてくれた。後半は右岸を戻ってきたが、嬬恋村に生息しない木々にたくさん出会った。オオムラサキ蝶の好むエゾエノキの木、蓑をまとった様な樹肌のアサダの木、黒ブナと言われるイヌブシの木、サロメチールのような匂いがするミズメの木は別名ヨグソミネバリアズサが凄い、薬草樹のメグスリノキも確認できた。いつもはこの頃に咲くミツバツツジは、ここが北限だと言う。チドリが飛ぶ姿のような控えめな花をつけたチドリノキなど低地に近い樹木が豊富に混生、しかも樹勢がしっかりしていて人を包み込むような森だ。すばらしい森に今日はたっぷり癒される。