四阿山の不思議な的岩


自然の遺跡か、冬の的岩
晴れた青空なのに強い風の日だったので、久しぶりに四阿山(あずまやさん)の麓にある国の天然記念物・的岩(1,780m)へ行った。
冬の的岩は、葉に隠れるグリーンシーズンと違って、圧倒的な存在感があって凄いけれど、それだけではなく、この裏側にはコメツガやシラビソ等の樹林帯が広がり、植生を見事に分けている。そしてわずか2m弱の幅のリョウブ型の岩に沿って頂上で群馬と長野が分かれていて、ここが関東と日本海側との分水嶺となっているのです。不思議なこの屏風の岩をじっくり見て回れれば、さらに色々な形が見えます。まずは名前の由来となった的の岩。西側にはバウムクーヘンのような岩が下にありますが、頼朝が矢で撃ち落とした的の岩とも言われています(写真下)し、岩の本体東側には隕石が衝突したような窪んだところも、伝説上の大男がおにぎりを命中させた穴(写真下)で、こちらも名前のもとになっているのです。 地学では、四阿山火山の溶岩が山体に対して放射状に突出したもので、「火山ダイク」と言います。30万年〜70万年前に活動した四阿山火山の痕跡は、見る人に想像力を湧かせてくれる所です。