干支の羊神社

群馬にある「羊神社」へ


山間の地に暮らすこの辺りは、冬に山仕事に係わる暮らしが古くから続いたこともあって、暮と正月の12日には絶対山の木を切るな、山に女性が入ってもいけない、とかつて古老から言われたものだ。この地では十二山神信仰が最近まで残っていた。そこで正月の12日の日は、方向を変えて安中市にある今年の干支の羊神社へ出かけた。別に「年男」でもないけど、やさしい羊さんに穏やかな平和を願いながら参拝を。

浅間山の風が吹き下ろす穏やかな丘陵地帯にあるこの社の主祭神が羊太夫(多胡羊太夫藤原宗勝公)。ここから10Kmほど離れた吉井町にある有名な多胡碑(711年)にも登場する多胡一族がここに来て祀ったと言われる。羊神社は我が国に2か所あるそうだが、名古屋市北区辻町にある羊神社はここの羊太夫が奈良の都へ登る時に立ち寄った縁で残ると記されているようだ。辻町のツジとはヒツジの意に通じているとあり、いわば身内の仲だった。小さいけれど整備された干支の羊神社の近くには蝋梅(ろうばい)も咲き、多くの人が訪れていた。