薪の鮮度?と安全性について

 薪ストーブ、薪の鮮度!?
山好きの父親は、近隣集落も含めて、良く山林を歩いていたから、境界の立ち合いを頼まれることが多かった。気づけば自分も山林を取得したり山野を歩くことが多くなった。血は流れている。
さて、14〜15日にかけて大雪になったので、先月から始めた山林の伐採、片づけ作業はしばらく休止に。昨日庭で焚火をしたのが嘘みたいで、雪かき作業で一日が終わった。焚火をしながら、薪の良い作り方を父親が教えてくれたことを思い出しました。薪であろうと、建築材の木であろうと、木を切るのは寒中期の新月の前後に切るのが一番良い、と。なぜなら、この時期に伐採した木は、建築するのにも狂いが少なく、カビや害虫に強い材になるからだった。楢の薪はこの伐採した木を割って2年間、乾燥させ水分を20パーセント以下(理想は16〜18%)にしたものが最上で、使って火力もあり、長く燃える薪になります。嬬恋村は湿気が極めて少ない村だから乾燥には最適です。もし不幸にして3年過ぎた位からカビが生えたり、虫が目立つ楢薪はきっと春や夏に伐採した木かもしれません。薪ストーブやピザ窯が人気ですが、どうか良い薪を手に入れて楽しんで頂きたい。


薪は 安全か?
山の整備と、自然エネルギーの循環のつもりで毎年少しずつ立木を伐採していますが、さすがに昨年は知り合い以外に薪を融通する気になれませんでした。ご近所の人が伐採したキノコ用の原木を検査したら基準を超えていたと言う話が残っていたからです。
もちろん今年の木はもっとレベルが下がっているはずですが、それよりも、昨年の基準に対する誤解を自分なりに説明して納得していただく自信が無かったからです。
震災後、野菜をはじめシイタケ用の原木の放射性物質の基準が厳しくなって、シイタケ原木は50ベクレルを超えるものはダメになりました。家庭で使うストーブやピザ釜、バーベキューなどに使う薪はどうかと言うと、40ベクレルです。ここで考えてほしいのです。野菜など食品一般は100ベクレルですよね。薪は口にしないのになぜ厳しいのでしょうか。…それは、薪は燃やした後の灰の中に残る放射性物質の量を問題にしているからなのです。灰は8,000ベクレルを超えると一般ごみとして処分できないことになっていますので、薪を燃やすと「薪1㎏は5gの灰が出る」ために、8,000×5/1,000=40ベクレルという基準になっている訳です。要は一般ごみで出すなら基準以下の薪を使って頂きたいという数値でもあるのです。放射性物質が燃やした灰にどのくらい残るのかと言うと約98%が灰として残ることになるので、調理やバーベキューに使っても放射性物質の移動は2%くらいですから使用上の影響は心配ないのです。むしろ問題は灰の処分を、責任を持ってすることが大事だと思います。木は伐採しないで、自然に任せるべきだという考え方もあると思いますが、私は、自然エネルギーは循環が大事であること、山の環境整備は所有者がすべしと考えるので、木を切るものとしてコメントしてみました。